Vo.1
☆サンマ☆

江戸時代には「サンマが出ると按摩が引っ込む」といわれたくらい、すでにこの頃から栄養価の高い魚として有名でした。
サンマを食べると胃の弱い人は胃が丈夫になり、食欲不振、虚弱体質にも効果があります。またサンマの脂には、コレステロールを減らし、脳血栓を予防するEPA(エイコサペンタエン酸)が含まれています。(EPAは変質しやすいので新鮮なものをとるようにしましょう。)
ただアレルギー体質の人や下痢しやすい人は食べ過ぎに注意してください。
☆サンマの利用法☆
・サンマとタマネギのホイル焼き
⇒食欲増進
・サンマの塩焼きをダイコンおろしにつけて食べる、湯豆腐に加える
⇒胃弱、虚弱体質に効果的
☆ダイコン☆
ダイコンには胃を丈夫にし、消化を促進させる働き、咳を止め痰を
出やすくさせる働き、利尿の働きなどがあります。
ただし、生で食べるのと、煮て食べるのとでは効用が違うので注意が必要です。胃下垂、胃拡張など胃が冷えやすい人は生で食べないようにし、反対に胃に熱を持っていて口内炎を起こしているような場合は生で食べましょう。胃が冷えやすい人でも肉類のように体を温める
作用の強いものと生のダイコン(ダイコンおろしなど)を食べるのは差し支えありません。
☆ダイコンの利用法☆
・消化不良、腹が張る、胃痛のとき
・・・ダイコンをおろして、おろし汁をコップに絞り、一杯飲む。
・重病などで肉が負担になるとき
・・・ダイコンと豚肉をよく煮込んで、味の染みたダイコンを食べる。
・喉が痛む、咳や痰が出るとき
・・・ダイコンおろしコップ1/4に、小指の先くらいの大きさのショウガをすって加え、熱湯を注いで温かいうちに飲む。
・口内炎
・・・ダイコンおろしを食事ごとに茶碗1/3くらい食べる。
・冷え症
・・・干したダイコンの葉をお風呂に入れるとよく温まる。
Vo.2
☆栗☆

クリには胃腸を丈夫にし、生命力を補い、筋力を強くし、血液の流れをよくする効果があります。そのため、胃腸の虚弱な人、やせて力のない人、気力、食欲のない人、下痢の人に向いています。
筋骨を丈夫にする作用は、お年寄りで体力がなく、腰が弱っている人、咳が出てなかなか治らない人や、子供で足腰が弱く、3、4歳になっても上手く歩けない場合にも効果があるといわれています。
生のままでも食べられますが、消化が悪く、煮たものでも多食すると胃に負担になるので胃弱の人は多食しないようにしてください。
☆栗の利用法☆
・お年寄りで腎機能が衰え、足腰の弱い人
⇒毎日、朝晩生グリを1〜2個細かくかみ砕いて食べると精力がつく。
・ 子供で脚力が弱い場合
⇒生グリをすりおろして毎日数個分ずつ食べさせると丈夫になる。
・ 漆や毛虫にかぶれてかゆいとき
⇒クリの葉を一握りほど煎じて、その汁で湿布するとよくなる。
・ イワシ、タコ、イカなどにあたったとき
⇒生グリを渋皮のままかみ砕いて食べる。
・ 子供の腹下し
⇒クリをすりおろして粉にしたものをよく煮て、
適量の砂糖を加えて食べさせると効果がある。
☆蕎麦☆
蕎麦は白米に欠けているビタミンB1、B2、鉄分を多く含むのでいつも白米ばかり食べている人の補食としてすぐれた食べ物です。
のぼせによる症状によく、熱を下げたり、毒を除いたりする作用があり、腹にガスがたまる症状、下痢などに効果的です
。
その他、蕎麦の冷やす作用を利用して、熱を持ったできものや打撲にはソバ粉を塗ったり、やけどの際にも使います。体の中の余分な熱や水分を取り除く働きにもすぐれ、偏頭痛、高血圧、眼底出血の補助療法にも使われています。食べ過ぎて胃腸が重たいときに食べるとすっきりさせる働きもあります。
ただし蕎麦は体を冷やす力が強いので、冷え性の人、冷えから胃弱を起こしている人は冷えた蕎麦は常食しないほうがよいでしょう。
のぼせ気味の人、高血圧の人は積極的に摂るとよい食べ物です。
☆蕎麦の利用法☆
・ 高血圧、眼底出血、紫斑病
⇒蕎麦の新鮮な葉100g、ハスの節4個を煎じて飲む。
・ 寄生虫、条虫の駆除
⇒生のソバ粉を常食。
・ 下痢
⇒ソバ粉をいって砂糖水を混ぜて飲む。
・ 打撲、熱を持ったできもの
⇒ソバ粉を酒で溶いて塗ると早く治る。
・ 湿疹
⇒ソバ粉100gにみょうばん10gを混ぜて練り、患部につける。
Vo.3
☆白菜☆

冬の鍋物には欠かせない野菜となっている白菜。ビタミンB1、B2、C、カルシウム、リン、カリウムなど栄養のバランスのよい野菜です。
よく煮て食べると消化がよく、体の中の余分な熱を冷まし、小便の通りをよくし、便秘解消に役立ちます。また、口が渇いて食欲不振のとき、咳や痰がたくさん出るとき、胃に熱があって、おなかや胸のあたりがもやもやした感じのあるときにも効果的です。
ただし、胃が冷えやすい人や慢性下痢の人は、生で多食しないよう心がけましょう。
☆白菜の利用法☆
・ 煮て食べると・・・大小便の通りの改善、解熱、口の渇きを止める効果。
・ 風邪・・・干した白菜の葉柄1株分、三温糖40g、生姜3かけを600ccの水が300ccになるまで煎じて飲む。
・ 漆かぶれ・・・白菜をついて、どろどろしたものを塗る。
・ 二日酔い・・・白菜をついて、生汁を絞ったものを飲む。
(軽いやけどには塗ってもよい。)
☆椎茸☆

椎茸は昔から気力を補い胃の消化力を増すので、高齢で体の弱い人、長い病気で気力のなくなっている人に適するといわれています。
近年になって椎茸が健康食、長寿食として脚光を浴びるようになったのは、1つはビタミンD(カルシウムやリンの吸収を促進し、骨を発達させるビタミン)のもとになるエルゴステリンを豊富に有することが分かったためです。エルゴステリンは日光か紫外線に照らされるとビタミンDに変わるため、生より干し椎茸のほうがすぐれた食べ物といえます。
またコレステロールを下げる作用があり、動脈硬化、糖尿病、高血圧で高脂血症などに有効です。さらに最近の研究では、椎茸の胞子に強力な抗ウイルス性の物質を作らせる働きがあることや抗がん作用他の働きがあることが分かってきました。
ただし、のぼせ性の人が生椎茸を食べすぎると、のぼせやめまいを起こすことがあるので多食は避けましょう。
また、アレルギー体質の人は春先に生椎茸をたくさん食べると、湿疹が出ることがあるので注意が必要です。
☆椎茸の利用法☆
・ 糖尿病、咳・・・椎茸を煮て毎日食べるか、スープとして飲む。
・ 動脈硬化の予防・・・煎じて長期間飲むか、乾燥させたものを粉末にして湯で溶いて飲む。
・ 肝炎、白血球減少症・・・生の椎茸を煎じて飲む。
・ 痔・・・椎茸を火であぶって粉末にし、1日2回、5gずつ空腹時に温めて服用する。
Vo.4
☆ネギ☆

ネギは、栄養的にみると、ビタミンBやCの豊富な緑色の部分のほうがすぐれていますが、薬用に使うのはもっぱら白い部分です。
ネギ類に特有な刺激的なにおいには、消化液の分泌を促す働きがあります。また、食物繊維も多いので、便秘にも効果があります。
漢方ではネギの白い部分を葱白(ソウハク)と呼んで、れっきとした漢方薬として使います。風邪の引きはじめで、悪寒、発熱、頭痛等があるときに汗をかかせることで症状を改善しようとする際、また冷えによる腹痛があるときなどに用いられます。
(ただし、熱があっても、寝汗やよく汗をかく人など、すでに汗をかいているときには使わないようにしましょう。)
他にも、鼻づまり、下痢、下血、関節リウマチによく、乳の出をよくする働きもあります。現代薬理学では、発汗作用、健胃作用、去痰作用などが注目されています。
☆ネギの利用法☆
・風邪のひきはじめに
⇒ネギの白い部分をみじん切りにしたものに味噌を加え、熱湯を注いだものを一気に飲み、暖かくして寝る。
また、ネギ2〜3本にショウガ汁を少し加えたスープかおかゆもよい。(おかゆは下痢にも効果的)
・風邪のとき
⇒ネギ20gとニンニク10gを細かく刻んで、カップ3の水で半量になるまで煎じて飲む。予防にも。
・おできがはれて痛いとき
⇒ネギを叩いて潰し、酢を加えていり、温かいうちに貼る。
☆ショウガ☆
薬味としてのショウガは、おもに魚や肉の臭みを消すのに用いられます。ショウガの辛味成分であるジンゲロンやショウガオール等は、他の香りの強い野菜の成分同様、すぐれた殺菌力を持つと共に、吐き気を抑え、食欲を増進させることが知られています。
漢方では、吐き気を止める他に、風邪、鼻づまり、冷え、頭痛、咳、食欲不振などの諸症状にショウガを使います。
生のショウガに対して、乾燥させたものを乾姜(カンキョウ)と呼びますが、この乾姜にも薬効があります。ことに、体が冷えたときの頭痛や下痢、腰から下半身の痛みに用います。また、干した分だけ、薬理作用が強くなります。
ただし、痔のある人、眼の充血している人、できもののできやすい人は食べ過ぎないようにしましょう。
☆ショウガの利用法☆
・吐き気があるとき(車酔い、二日酔いにも)
⇒生のショウガを絞った汁に熱湯を注いで飲む。
・風邪に
⇒ショウガ3かけ、シソの葉6g、長ネギ1個を用いてスープを作り、熱いうちに飲む。
・咳止め、痰切り
⇒適量のショウガ汁と1個分のナシの絞り汁にハチミツを加え、温めて飲む。
・冷えによる下痢
⇒乾姜3gともち米9gでおもゆを作って飲む。
Vo.5
☆セリ☆
早春の香りのよい野菜の代表、そして一年の邪気を払う春の七草の筆頭を飾るセリ。高血圧、高脂血症、糖尿病などの生活習慣病によく効きます。具体的には、セリを水で煎じた汁を飲むと、高血圧で頭痛、めまい、眼の充血、目が痛むときに効果があり、また動脈硬化による心臓病の補助療法として、最近、中国では注目を浴びています。
そればかりでなく、肝機能の異常を整える働きがあるため、黄疸のときにも有効です。
そのほかにも、セリを食べると、胃腸の熱をとり、すっきりさせ、肺に熱がある咳や痰を治します。頭痛、ストレスからくる咳、小便が出にくいとき、血尿に用いても効果があります。
ただし、アレルギー体質の人は長期間多食しないようにしましょう。
☆セリの利用法☆
・高血圧に・・・セリ500gを水カップ4で半量に煎じたスープに、砂糖を少し加えて飲む。
・糖尿病や脳卒中後遺症の補助療法に・・・新鮮なセリ500gをついた汁を半分ずつ2回に分けて飲む。
・月経困難症に・・・月経の前期に乾燥させたセリ30gをカップ2の水で煮、カップ1になるまで煮詰め、温かいうちに飲むと楽になる。
・子供の吐き下しに・・・セリを細かく切って煮たスープを飲む。
・血尿に・・・新鮮なセリをついた汁を4さじずつ1日3回飲む。
☆カブ☆
春の七草の一つ、スズナとはカブのことです。
カブは胃腸を温め、冷えからくる腹痛を和らげます。また体内にある余分な水分を取り除き、解毒する作用があります。内臓の働きをよくし、心身を軽快にしてくれるので、常食すると丈夫な体がつくれます。特に、食べたものの滞りを除き、ガスを抜く作用は注目されています。また、咳を止め、口の渇きもいやしてくれます。
カブの解毒作用は、おもに外用したときに、特に発揮されます。

カブの根をついて患部に塗ると、急性乳腺炎、しもやけ、ひび、あかぎれ、毒虫刺されにも有効です。
また、カブの花は、肝臓機能を高め、目の疲れをとります。花は春に採取して陰干しし、ふるいにかけて細かく乾燥させて用います。
☆カブの利用法☆
・胃が重たいとき・・・カブをよく煮て食べると効果的。
・声がかれたとき・・・カブのおろし汁を飲むとよい。
・咳・・・カブのおろし汁がよいが、氷砂糖を湯で溶かしたものを混ぜるとより効果的。
・急性乳腺炎、できもの、はれものに・・・カブの根と葉に食塩を少々加え、よくつき砕いたものを1日3回患部に塗る。
・黄疸、便秘、熱性の下痢・・・カブの種を砕き、温かい湯に溶いたものを7〜10g飲む。
Vo.6
☆大豆☆

黄大豆、黒大豆とも、強い補腎・利尿作用があり、むくみなどがあるときに用いられます。腎臓が弱い人やむくみやすい人、リウマチ性疾患、寝汗をかきやすく、疲れやすい人によい食べ物です。お年寄りや体力のない人は、できるだけ柔らかく煮たものを食べたり、煮汁だけを飲むとよいでしょう。また、安胎作用があるので、妊婦や生理不順の人にも効果的で、さらに湿疹やできものに外用する例もあります。
現代では、大豆の脂質の大半を占めるリノール酸が、コレステロールを除く作用があることが分かっており、動脈硬化や高血圧が心配な人にはぜひたくさん食べて欲しい食品の一つです。
また、大豆のたんぱく質であるレシチンは、細胞が生まれ変わるために必要な酸素や栄養分をとり入れ、不要なものを排出する役目をしています。そして、様々な情報を脳まで届けるときの仲介に必要な物質も含んでいるので、記憶力や学習能力を向上させる働きがあります。
ただし、大豆はアレルギーの抗原になっていることもあるので、アトピー性皮膚炎や喘息の人は注意してください。
☆大豆の利用法☆
■ 疲れやすく寝汗をかくとき・・・黒大豆の皮9gを水カップ2で煎じて服用する。
■ リウマチ、関節炎に・・・黒大豆とショウガを一緒に漬けたまむし酒が効果あり。
■ 生理不順に・・・黒大豆をいったものを粉末にし、等量のシソの葉を煎じた液で5〜10g服用する。
■ リウマチ、筋肉痛、産後の関節痛に・・・黒大豆をいって半分ほど焦がしたものを清酒にしばらく浸してこす。この酒をコップに1/3程度ずつ1日3回飲む。
■ コレステロール値や血圧を下げるには・・・いった黒大豆が熱いうちに醸造酒を注ぐ。この豆を毎日10〜20粒食べ続けるとよい。
☆小豆☆
小豆のもっとも大きな薬効の一つに、利尿作用があります。心臓病、腎臓病、脚気など、あらゆるむくみのある症状に、昔からよく使われています。とくに、むくみの場合は、尿の出がよくなり症状が軽くなります。また、消炎作用があり、まだ化膿する前のはれものに外用薬として使われます。
その他、食物繊維や皮下脂肪の蓄積を防ぐビタミンB1を多量に含んでいるため、ダイエット効果が期待できます。効果的な食べ方は、小豆を煮た煮汁を飲み続けることです。ただし、甘みをつけてはいけません。
長期間用いると皮膚がやや乾燥気味になることがあります。このようなときはハトムギと一緒に煎じて用いるとよいでしょう。
また、おしるこやあんこを食べればやせると、ダイエット効果を勘違いしないように注意しましょう。
☆小豆の利用法☆
■ 心臓病、腎臓病、脚気などによるむくみに・・・1日分として小豆30gを540ccの水で煎じて3回に分けて飲む。このときゲンノショウコ15gを合わせて煎じると便通も整い効果が高くなる。
■ むくみに・・・小豆に何も味をつけずに煮たものをご飯代わりに食べる。
■ 水太りに・・・小豆を煎じた汁を毎日お茶代わりに飲む。飲んでいるうちに肌が乾燥してきたらハトムギを同量合わせて煎じるとよい。この汁はお乳の出もよくする。
■ リウマチによる関節炎のはれに・・・小豆と桑白皮各15gずつを合わせて煎じ飲む。
Vo.7
☆牡蠣(カキ)☆
“海のミルク”といわれるほど栄養価の高いカキは、鉄分、ヨード、マグネシウムなどを多く含み、虚弱体質の人や貧血の人の養生食として最適です。
また、グリコーゲンが肝臓の働きを活発にするので、酒を飲んだ後の酒毒を消し、喉の渇きを止める働きもあります。
女性にとってうれしいのは、内臓の働きのバランスをよくし、きめ細かい
肌をつくり、顔色を美しくする働きのあることです。
カキの殻は牡蠣(ボレイ)といって、代表的な漢方薬材の一つです。汗を止める、鎮静作用、緊張をほぐすなどの働きがあり、ヒステリー、寝汗、不眠、精神不安などを治す漢方薬によく使われています。
カキの風味を楽しむためには生ガキが一番ですが、新鮮なものを食べるようにしましょう。鮮度の落ちたものは中毒を起こすことがあります。酢とショウガと一緒に食べると中毒予防になります。また、冷え症の人は生ガキを食べ過ぎないように注意しましょう。
☆カキの利用法☆
■ 焼いて食べると・・・美肌効果あり。
■ カキのクリーム煮を常食すると・・・虚弱体質を治し、胃腸を丈夫にする。
■ 酢ガキにすると・・・解毒作用あり。はれもの、ただれを抑える効果あり。
☆蟹(カニ)☆
カニは前足にはさみのある大きな爪を持っているので、これを門にかけると邪鬼を払うと信じられていました。
塩ゆでしたものを二杯酢とショウガ汁で食べると筋肉、骨を強くし、ショウガがカニ中毒を予防してくれます。また、解熱、酒の解毒作用や胸の苦しさや内臓全般の気の滞りを治す働きがあり、外用すれば熱を持った湿疹に効果があります。さらに現在ではカニの皮膚に対する外用作用を発展させ、人工皮膚の素材になっています。
ただし、カニとカキは一緒に食べないようにしましょう。カニもカキも体を冷やす作用があるので、下痢、腹痛を起こすもとになります。
また、カニ味噌は血を騒がすので、アトピー性皮膚炎、じんましんのできやすい人は要注意です。
☆カニの利用法☆

■ 酢で調理したカニを常食すると・・・気のめぐりをよくする。
■ 生のカニを細かく砕いたものを患部に塗ると・・・関節炎を治める。
はれものを早く治す効果あり。
■ カニを殻ごとついたもので湿布すると・・・
いろいろなできものや湿疹類に効果あり。また、これに酒を混ぜ、外用すると共に内服すると、骨折治療に効果がある。
Vo.8
☆リンゴ☆
リンゴには体の中の水分の流れをよくして、喉の渇きを止める働き、腸を 丈夫にして下痢を止める働き、暑さを解消させ、胸のあたりのもやもやした不快感を治す働きがあります。
ですから、精神的に疲れて食欲がない、病後で食事をしたあと胸のあたりがすっきりしないようなときに食べると効果があります。このすっきりさせる効果はリンゴに含まれるリンゴ酸、クエン酸、酒石酸の働きによるものです。そのほか、肺を潤して咳を止める作用、酒酔いをさます作用もあります。
ただし、多食するとガスがたまりやすくなるので注意してください。特に腹部の手術後やバリウムを飲んだ後は控えた方がよいです。 また、リンゴに含まれる糖分は血糖値を高めるので、糖尿病の人はあまり食べないようにしましょう。
☆リンゴの利用法☆
■消化不良に・・・
リンゴ1個を毎食後に食べると効果的。
■下痢止めに・・・
半熟のリンゴ2〜3個を2リットルの水で1リットルになるまで煮詰め、
この汁を飲み、併せてリンゴの実も食べると効果的。
☆ミカン☆
ミカンの実を食べたり、汁を絞って飲むと、体の水分を補い、胃を和ませる働きがあります。
胸のあたりがつかえた感じがして食欲がないときに食べたり、ジュースを飲んだりすると食欲をそそります。
ミカン類を食べ過ぎると柑皮症といって手のひらが黄色くなることがありますが、食べるのをやめると自然に治りますので、心配はいりません。
ミカンの成熟した果実の皮を陰干しや日干しにして乾燥させたものを橘皮(キッピ)といい、この古いものを陳皮(チンピ)と呼んで漢方生薬としてよく利用します。咳を止める、痰を除く、吐き気を止める他、健胃剤としても用います。風邪による発熱、乳の出が悪いときや、口臭の薬でもあります。
ただし、ミカンには体を冷やす作用があるので、冷え性、腎炎、膀胱炎を起こしやすい人は食べ過ぎないように注意しましょう。
また、喘息の人は痰や咳が出やすくなるので多食しないでください。
☆ミカンの利用法☆
■風邪に・・・新鮮な果皮30gか陳皮15gをコップ3杯の水で2/3くらいになるまで煎じ、
適量のハチミツを加えて飲むと効果的。
■慢性胃炎に・・・陳皮をいって粉末としたもの6gにハチミツを加えて飲むとよい。
■咳や痰の多いときに・・・陳皮・ショウガ・シソの葉各6gを合わせ適量の水で煎じ、
ハチミツを加えて飲むと効果的。
■嘔吐のあるとき・・・陳皮9g、ひとつかみの米を適量の水で煎じ、ショウガの絞り汁を加えて飲む。
■冷え性、リウマチ、痛風に・・・ミカンの皮をカスが出ないよう布袋に入れお風呂に入れるとよい。
Vo.9
☆アブラナ☆
アブラナの薬効は、まず、血の滞りを散らすことにあります。そのため、
産後の肥立ちが悪いときには、たくさん食べたい野菜です。アブラナの葉や花のない時期は、種子を煎じて飲んでも同じ効果があります。
種子はウンダイシといって種苗店にあります。
もう一つの大きな薬効は、腫れをひかせることで、昔から乳腺炎などに用いられています。
菜種油は不飽和脂肪酸をたっぷり含み、油としての安定性が高いため、揚げ物にはごま油についで最適の油です。ことに、高脂血症で低脂肪食をとっている人は、コレステロール値を下げる働きがあるため、適量を調理に活かして使うとよいでしょう。
その他、中国では、外用として皮膚病に使われています。おできや皮膚掻痒、乾燥性の湿疹などに一日数回塗るとよいといわれています。
☆アブラナの利用法☆
■急性の乳腺炎やはれものに・・・
生のつき汁を患部に塗り、一日三回取り替えるとともに、
絞った汁を温めて盃に1杯ずつ、一日に三回飲む。
あるいは、煎じた汁を30ccずつ飲む。
■髪の毛のトリートメントに・・・
洗髪前に菜種油を地肌によくすり込み、蒸しタオルで包んで、
しばらく置いてから洗髪すると、黒くつややかな髪になる。
☆タケノコ☆
最近、便秘を防ぐだけでなく、大腸ガンなどの予防や、コレステロールの吸収を抑えるのにも重要と、脚光を浴びているのが食物繊維です。
タケノコは、この食物繊維が豊富な食品です。便秘がちの人や、コレステロール値が高い人にはよい食品ですが、食物繊維が豊富なだけに消化しにくいので、胃腸の弱い人や、下痢しがちな人は、食べ過ぎないようにしましょう。タケノコが成長した後の竹もすぐれた薬効のある植物です。
笹の葉には、腐敗を防止する作用の他、気持ちを鎮める、熱を下げる、咳を鎮める、止血するなどの働きがあります。
このように笹の葉には解熱作用や鎮咳作用がありますが、タケノコは逆に咳や喘息を悪化させます。タケノコを食べるときは、ショウガ、シソ、ダイコンなど、解毒作用のある野菜と一緒に食べるとよいでしょう。
また、アレルギー体質で、アトピー性皮膚炎や喘息を持っている人、中耳炎のある人は、タケノコを食べると悪化するので避けるようにしましょう。
☆タケノコの利用法☆
■便秘に・・・
タケノコを薄味で煮たものを常食する。
■腎炎、心臓病、肝臓病などによる浮腫や腹水に・・・
タケノコ80gとトウガンの皮40gを水で煎じて飲むと効果的。
■はしか、じんましんなどで発疹が出きれず、熱が下がらない場合に・・・
おかゆに入れて食べると効果的。
■口臭予防、咳、痰、熱を冷ましたいときに・・・
笹の若葉をお茶代わりに飲む。
■不眠症、夜尿症、二日酔いに・・・
笹の葉10gを煎じたものを飲むとよい。
Vo.10
☆アサリ☆
潮干狩りなどで昔から親しまれているアサリですが、2〜4月は栄養価が
ぐっと上がる時期です。アサリの身には、精神安定作用があり、体内に熱があり、手足がほてったり、イライラしたりするのを鎮めます。その他、喉の渇きを止める作用、尿の出をよくする作用などがあり、黄疸、むくみ、結核による咳、糖尿病などにも用います。
中国ではもっぱら血圧を下げ、喉の渇きを止める作用が知られており、殻も薬として用いるようです。
☆アサリの利用法☆
■ 尿の出が悪くてむくみのあるとき、喉が渇くときに・・・
アサリをスープかみそ汁(塩分は少なく)、潮汁などにして常食するとよい。
■ 結核で咳が出るとき、糖尿病で喉が渇くとき・・・
アサリのむき身250gに適量の水を加えてスープを作り、ニラ200gほどをざく切りにして加えたものを飲むと効果的。
また、アサリとヤマノイモ、アサリとユリ根のスープもよい。
■ 胃酸過多に・・・
アサリの殻を焼いて粉末にし1回に10gずつ飲むと効果的。
■体力がなく、むくみのある人に・・・
アサリの殻を焼いて粉末にし、ニンニクと一緒に煮たものを食べるとよい。
☆ヒジキ☆
ヒジキには、堅いしこりを軟らかくする、軟堅作用があります。また、消炎作用もあるため、甲状腺腫やリンパ腫の食事療法に用いられています。
現代ではそのヨード分が甲状腺機能を高めることで知られ、甲状腺機能障害の食事療法には欠かせないものになっています。
また、古くから血液の抗凝固作用があることも知られており、血栓や動脈硬化の予防になるほか、血圧降下作用もあります。また、血中の脂質低下作用があることから、コレステロール値が高い人はぜひたくさん食べたい食品です。
さらに漢方では水分調節作用にすぐれ、むくみをとる作用があるとされます。
ヒジキは、栄養学の面からみてもすばらしい食品です。海草に多いヨードはもちろん、鉄分、カルシウム、カリウムにすぐれています。ノンカロリーで食物繊維も多く、貧血の人、ダイエットしたい人、便秘気味の人は積極的に食べるとよいでしょう。もちろん、特別な効果が必要ない人にとっても、
若さと健康を保つ健康食品といえます。
ただし、ヒジキには体を冷やす作用があるので、胃腸が弱く冷えやすい人は注意が必要です。
☆ヒジキの利用法☆
■ 甲状腺腫、リンパ腫に・・・
ヒジキを常食するか、煎じて1日2回服用するとよい。
または、ヒジキ500gを1.8gのお酒か焼酎につけて数日置いたものを、
毎日朝晩盃に1杯ずつ飲む。
■ 高血圧や高脂血症の予防に・・・
コンブとヒジキそれぞれ50g、ダイズ250gに水を加えて煮て、砂糖と醤油で薄く味をつけ、毎日食べる。甲状腺腫、リンパ腫にも効く。
■ 普段のお食事に・・・
ヒジキに含まれるヨードは油で調理すると消化吸収もよくなる。
煮物、和風サラダなどにして食べるとよい。
Vo.11
☆キャベツ☆
煮て食べても、生で食べても、炒めてもおいしいキャベツは、常食していると体を整える働きがあります。虚弱体質の子どもには、キャベツのスープを作っておいて、水代わりに飲ませるとよいでしょう。
キャベツの最大のメリットは、胃壁の粘膜の再生や潰瘍の治癒に効果のあるビタミンUやKを含んでいることです。また、ビタミンCは淡色野菜では
トップクラス。このため、胃の痛みや、胃・十二指腸潰瘍に効くことが分かり、注目を集めるようになりました。
ビタミンUやCは、煮ると損なわれるので、胃・十二指腸潰瘍の人は、生か、さっと煮たものをとるようにしましょう。
このほかに、糖尿病、便秘、吹き出物、泌尿器系疾患に薬効があり、止血、止痛の効果も期待できます。また、癌の発生を抑えるという報告もあります。
前述どおり薬効の点では生食することが大切ですが、体を冷やす作用があるので、冷え性の人は生で多食しないようにしましょう。
☆キャベツの利用法☆
■胃・十二指腸潰瘍に・・・
新鮮なキャベツのジュースを作り、1回250ccずつ温めて食前に飲みます。
続けて10日間(症状によっては長期間連続して)飲むと効果的。
結腸炎にもよい。
キャベツ75%、セロリ25%の割合のジュースでさらによい結果が得られたという報告もある。
■癌の予防に・・・
煮過ぎない程度に煮たキャベツを常食するとよい。
☆ブロッコリー☆
ブロッコリーはキャベツの仲間で、カリフラワーも同類です。
花蕾(からい・花のつぼみ)が発達した部分を食用にするのが特徴ですが、
花軸や茎の部分にはつぼみ以上に栄養があるので一緒に料理するようにしましょう。
ブロッコリーには、腎機能を強化して虚弱体質を治し、胃腸を丈夫にする働きがあります。体力にない人、病気の回復期によい食べ物です。
栄養学的にはカロチン、ビタミンB1、B2、C、カルシウム、鉄分などに富むのでビタミン補給にすぐれており、美容と健康には欠かせません。
☆ブロッコリーの利用法☆
■疲労回復に・・・
ブロッコリーをゆでて食べるとよい。ゆですぎると変色するので、あまり
ゆですぎないように注意。
■胃腸の働きを活発にし、食欲を増進させる・・・
ゆでたブロッコリーを油にくぐらせ、塩味をつけたスープで1〜2分ゆでるとよいつけ合わせになる。
Vo.12
☆ホウレンソウ☆
ポパイで有名なホウレンソウは、生で食べても、ゆでて食べてもよく、最近はホウレンソウのサラダも食卓にのぼるようになってきました。
腸を潤す作用があるので便秘によく、中国ではお年寄りの虚弱体質の便秘治療に利用されています。
腸や胃の熱を取り去る作用があり、小便が出ないとき、口が渇くとき、二日酔いなどに効きます。そのため、糖尿病で喉が渇くときにも効果があります。
ホウレンソウで忘れていけないのは、増血作用と止血作用です。鉄分の多い野菜であることが分かってからは、もっぱら有名になったこの効用です。
鉄欠乏性貧血の人は積極的にとるようにするとよいでしょう。鼻血、壊血病にも効果を発揮します。
ただし、ホウレンソウはシュウ酸を含んでいるため、胆石、腎結石など結石を作りやすいといわれています。現在、結石のある人は避けたほうがよいでしょう。しかし、一般に食用にする量ならば、それほど心配はいりません。
☆ホウレンソウの利用法☆
■糖尿病で喉が渇いたときに・・・
ホウレンソウ60〜100gと鶏肉15gをカップ3の水で半量に煎じて、1日
3回飲むと効果がある。
■お年寄りで便秘の人、痔を患っている人に・・・
おひたしにして毎日食べると早く治る。
■夜尿症に・・・
新鮮なホウレンソウ500gをついて絞った汁を半量ずつ1日に2回飲むと良い。
■貧血症、産後に・・・
ホウレンソウと豚のレバーのスープが効果的。
また、ホウレンソウの薄味のスープは、胃腸の熱をとり、小便の出をよくする。
■高血圧、頭痛、顔面紅潮、便秘、めまいに・・・
ゆでたホウレンソウをごま油で炒めて毎日食べるとよい。
☆タマネギ☆
戦前までは西洋野菜という感じのあったタマネギも、さっとゆでて酢の物にしたり、スライスして削り節としょうゆをかけて食べたり、ずいぶん和食的な使い方がされるようになってきました。しかし、なんといっても肉と一緒に煮込んだり、焼肉の付け合せにしたり、洋風料理に使われることが多いものです。
これは、合理的な組み合わせで、タマネギには、高脂肪食品を食べることによる血漿コレステロール値の上昇を下げる作用があるのです。コレステロール値が気になる年齢になったら、毎日60g程度のタマネギを食べることを心がけるとよいとされています。高血圧や脳卒中を予防する効果もあります。
また、タマネギにはネギと似たような殺菌作用があります。タマネギから分離された結晶が、黄色ブドウ球菌による食中毒やジフテリアなどの治療にも使われています。
☆タマネギの利用法☆

■脳卒中の予防に・・・
タマネギをたくさん食べると効果的。
■高血圧に・・・
タマネギの薄茶色の皮5〜10gを煎じたものを、
1日に何回かに分けて飲む。動脈硬化の予防にも。
■不眠のときに・・・
ネギやタマネギは、昔から眠れないときに使われる。
輪切りにしたものを枕元に置いておくと、よく眠れるといわれている。
Vo.13
☆鶏卵☆
病人食や赤ちゃんの離乳食に使われるほど消化がよく、栄養価のある食品。鉄分も良質で、貧血の予防や治療に効果的です。鎮静作用があり、子どもの疳の虫によいとされています。全卵でも滋養強壮になりますが、特に黄身は陰を補う作用が強く、心臓病にも有効です。
白身のほうは滋潤作用が強く、喘息や胸やけに効きます。喉の痛みや突き上げるような咳があるときにも使われます。また、外用すれば熱を取り、耳下腺や喉の腫れ、その他できものにも効果的です。
卵の殻は食用にはしませんが、胃酸過多のときや、胃や十二指腸潰瘍の痛み止めになります。
ただし、卵でアレルギー反応を起こす人は要注意。また、動脈硬化症の人も控えるようにしましょう。
☆鶏卵の利用法☆
■下痢や腹痛に・・・
卵3個に酢少々を加えて炒めたものを空腹時に食べるとよい。
■妊婦の心痛、胸痛に・・・
卵1個に酒少々を合わせて飲む。
■やけどや炎症性のできものに・・・
卵白で湿布すると痛み止めの効果があり早く治る。
■風邪のひきかけに・・・
お酒1合を温め、煮立つ寸前に火を止めて、生卵1個をかき混ぜて入れ、
温かいうちに飲むとよい。
■胃酸過多、胃や十二指腸潰瘍が痛むとき・・・
卵の殻をよく洗って粉末にし、1回に2~3g服用。
☆牛乳☆
牛乳は牛の乳ですが、たんぱく質、カルシウム、リン、鉄分、ビタミンA、B、Cを含み、栄養のバランスが良いため、母乳の代用にされるほどです。 日本では飛鳥時代に伝来しましたが、仏教の教えによる影響で明治時代に至るまでは、一般の人々は口にすることはできませんでした。

現代では日常生活から切り離せないほど普及して、そのまま飲料になるほか、バター、チーズ、粉乳、クリームとして利用されています。
漢方的には、虚弱体質を治し、熱を去り、体の水分を調節し、腸を潤すとします。
また、牛乳は栄養価が高いので、病気で体力が落ちているときによい食べ物です。
肌を潤してなめらかにし、美しい肌を作る作用、便秘を治す作用もあるので、美容の点でも見逃せません。さらに糖尿病、喉の渇きにも効きます。
ただし、日本人には牛乳でアレルギー反応(微熱、鼻炎、皮膚炎など)を起こしたり、下痢をしたりする人がいますので注意しましょう。
☆牛乳の利用法☆
■糖尿病などで喉が渇くときに・・・
生の牛乳を飲むと効果的。
■胃潰瘍や胃酸過多の予防に・・・
牛乳を常飲する。治療食としてもよい。
■冷えに・・・
牛乳にニンニクを入れて沸かして飲む。
■お年寄りや病人の体力回復に・・・
牛乳に米を入れておかゆにして食べると効果的。
■大病後、体力がないとき・・・
牛乳を4倍に水で薄めて温め、少しずつ飲むと体力回復に役立つ。
Vo.14
☆シソ☆
刺し身のつまによく使われるシソの葉や実ですが、見た目に美しいばかりでなく、魚やカニの毒を中和する働きがあり、食中毒を防いでくれるためです。
シソは胃、および大・小腸の働きをよくし、冷えによる腹痛や下痢を治します。
風邪で、寒気、発熱があるときにもよく用います。痰や咳を止め、喘息にも有効です。日本の民間療法では、脳貧血、食欲不振などにも活用してきました。
シソの実も昔から葉と同じように使われていますが、咳止めの作用は、実のほうがすぐれています。気を整える働きもあるので、不眠症、神経症の漢方薬にはよくシソが使われています。神経症のからんだ鎮咳剤、健胃剤として効果抜群です。
☆シソの利用法☆
■ 魚やカニの中毒に・・・
新鮮なシソの葉をたくさん食べる、乾燥させた葉5gを煎じて飲む、
生の葉の突き汁を飲むなどの方法が有効。
■ 脳貧血を起こして卒倒したとき・・・
酒を沸かして、その中にシソの葉を浸して飲ませるとよくなる。
おちょこ1杯の酒に対してシソの葉を3、4枚使うとよい。
■ 風邪に・・・
シソの葉とひねショウガを適量合わせ、煎じて飲むと効果的。
■ 胃が悪くて食欲のないとき・・・
葉を煎じて飲むと食欲が出る。
■ 舌が荒れやすいときに・・・
シソの葉を黒焼きしたものを口に含んでおくとよい。
■ 水虫、切り傷などに・・・
シソの葉をよくもんでつけると効果的。
☆ウメ☆
日本ではウメを保存するのに梅干にするのが普通ですが、中国では烏梅(ウバイ)にします。烏梅はウメの半熟果をあぶって干したものです。これはれっきとした漢方薬です。もう一つ中国で薬用として用いられるものに酸梅膏(サンメイコウ)があります。これは青ウメの種を抜いてから果肉を潰し、布でよくこしたものを数年間ねかせたものです。
酸梅膏を少し変形させたものが日本の民間療法で利用される梅肉エキスです。青ウメで傷のないものを選び、陶器のおろし器(金属のものは不可)でおろし、ガーゼを数年重ねたものに包んで強く絞り、青い汁をとります。これを天日かとろ火で蒸乾して水あめ状にしたものです。
ウメの一番の特徴は、大変強い抗菌力をもっていることです。整腸作用も強いので、慢性の下痢、細菌性の下痢、食欲不振、食べ物や薬物の中毒に効果があります。駆虫作用、咳止め、止血にもすぐれています。
日本の民間薬でもウメは幅広く利用され、梅肉エキスは食あたり、下痢、嘔吐、腹痛に使われるほか、頭痛のときにこめかみに梅干をはる、乗り物酔いに梅干を口に含んだり、へそにはる療法もあります。
ただし、未成熟の青ウメを生で食べると中毒を起こすことがあるので食べてはいけません。また、梅干は塩分が多いので食べ過ぎないように気をつけましょう。
☆ウメの利用法☆
■ 食あたり、下痢、嘔吐、腹痛に・・・
梅肉エキスを水で薄めて飲むと効く。
■ 下痢止めに・・・
烏梅10gを煎じて飲むとよい。
■ 糖尿病によるのどの渇きに・・・
烏梅肉を少しいって粉末にしたものを6gくらい服用するとよい。
■ 関節リウマチや腰痛に・・・
青ウメを酒につけた梅酒を1日数回患部に塗ると効果的。
Vo.15
☆アスパラガス☆
アスパラガスは、根や茎にアスパラギンを含んでいることがわかり、比較的近年になって注目され始めました。アスパラギンは、体内でアスパラギン酸(アミノ酸の一種)に変わり、血圧を下げ、末梢血管を拡張し、心臓の収縮を増強し、心拍数をゆっくりとさせ、尿量を増加させます。そのため、高血圧や動脈硬化の補助療法として使われています。
中国・杭州では、アスパラガスを乾燥させたものを乳腺癌の予防治療薬として利用し、効果を上げているという報告が発表されています。
一般的な薬効としては利尿作用があるとされています。
白アスパラガスよりグリーンアスパラガスのほうが栄養価ははるかに高くなっています。カロチン、ビタミンB1、B2、Eが比較的多く含まれている野菜です。
生のアスパラガスは時間を置くと組織が変化し、繊維質になって苦味を増します。あの甘みは新鮮なうちしか味わえないのです。
ただし、急性関節リウマチの人は食べないようにしましょう。
☆アスパラガスの利用法☆
■ 膀胱炎で尿が出にくいときに・・・
アスパラガスのスープを飲むと効く。
■ 腎機能が低下しているとき、膀胱炎、肝臓病、心臓病、高血圧の人に・・・
アスパラガス3〜4本を1gの水で半量になるまで煎じて、1日2カップ飲むと効果的。
☆ナス☆
漬けてよし、煮てよし、焼いてよし、炒めてよしと四拍子そろった貴重な野菜です。
中国ではナスには、熱を冷ます、血液の滞りをなくす、痛みを止める、小便の出をよくし、腫れを治すなどの作用があるので、乳の痛み、腹痛、下痢、小便が出にくい、口内炎、内痔出血、直腸出血、皮膚の潰瘍等のときに民間で利用されてきました。
日本の民間療法でも同じような使い方をしており、食べ物としてばかりでなく、病気やけがを治す目的で愛用されてきたのがわかります。
ただし、体を冷やす作用があるので、冷え性の人は多食しないようにしましょう。また、ナスには声帯を荒らし、声を悪くする作用があります。
咳のでやすい人が多食すると、咳がひどくなるので注意しましょう。
☆ナスの利用法☆
■ 尿が出にくいとき・・・
ナスを乾燥させて粉にし、毎日1回4gを湯で飲むとよい。
■ 黄疸や肝炎に・・・
ナス500gと米でおかゆを作り、毎日食べると効果的。
■ 子どものイボに・・・
毎日ナスのへたでこすると、数週間でとれる。
■ 口内炎に・・・
生のナスの皮をアルミホイルで包み、黒くなるまで蒸し焼きにし、
ハチミツと練って、口に含んでいると治る。
■ 産後の下腹部の痛み、きのこや魚の中毒に・・・
ナスのへたを乾燥させたものを粉末にして、2〜3gずつ煎じて飲むと効く。
■ 歯を丈夫にするには・・・
よく実の入ったナスをアルミホイルで包んで、黒くなるまで蒸し焼きにする。
それを歯磨き粉にするとよい。
■ 乳腺炎で腫れて痛むときに・・・
へたをアルミホイルで包んで黒くなるまで蒸し焼きにし、
梅干の肉で練ってつけると効果がある。
Vo.16
☆ウナギ☆
昔から栄養価の高い食べ物として知られていましたが、体力をつけ、夏バテ、夏痩せを防ぐために用いられる土用のウナギは、ことに有名です。
中国でも日本でもウナギは体力増強に用いられてきました。
中国ではウナギを食べると、病気で弱った体を丈夫にし、疲れて熱を出しやすい症状を取り去り、体力なく、やせ衰えたものによく、血便のある人にも効くとされています。
その他、リウマチ、神経痛、関節痛、婦人の不正出血、帯下、脚気、子どもの疳の虫にも効果があります。
現在でも、結核で熱の出やすい人に、ウナギを焼いて粉にしたものを薬として飲ませる他、痔、夜盲症に用いて効果をあげています。
日本でも同様に、腰の冷えを治し、食欲不振を解消して太らせ、元気をつけるための食べ物として用いられています。
ただし、ギンナン、梅干し、酢との食べ合わせは避けましょう。また、非常に胃腸が弱って下痢をしている人は、ウナギの脂肪が負担になるので避けたほうがよいでしょう。

☆ウナギの利用法☆
■ 虚弱体質の人の体力増強に・・・
ウナギをみじん切りにし、ヤマノイモをすって固めて一緒にだんごにし、
スープを作ってたべるとよい。
■ 婦人の不正出血、帯下に・・・
ウナギをしょうゆと酒で下味をつけ、から揚げにすると効く。
■ リウマチ、神経痛に・・・
ウナギ料理を常食するとよい。
■ 痔に・・・
蒲焼を常食すると効果的。
☆ヤマノイモ☆
ヤマノイモは医食同源を地でいく、すぐれた強壮食品です。
漢方的な効能では、滋養強壮、消化促進、下痢止め、気力をつける、肌を潤すことなどが期待できます。
また、漢方薬では山薬(サンヤク)といって強精強壮剤として用いられるなど有名です。
日本の民間療法でも、滋養強壮、腫れ物、しもやけ、咳、健胃整腸に使われ、現代中国ではこれに加えて、最近の研究から、頻尿、夜間排尿過多、糖尿病、帯下、精神倦怠などの治療に利用しています。
日本では生で食べることが多いのですが、一般には中国では乾燥させたものをスープにして食べます。
熱を加えると消化が悪くなるので、すりおろして生で食べるのが理想的です。
☆ヤマノイモの利用法☆
■ 体力の弱っている人の滋養強壮、下痢止めに・・・
ヤマノイモを常食する。または、乾燥したものを煎じて飲むとよい。
■ 糖尿病で口が渇き、尿の多い人に・・・
ヤマノイモを60gずつ、1日3回食べるとよい。
■ 血糖値の高い人に・・・
ヤマノイモ100gと豚のすい臓1個を使ってスープをつくり毎日飲むと、
血糖値を下げる効果がある。
■ 強精に・・・
おかゆにヤマノイモを細かく刻んで入れ、ハスの実を加えて炊いたものを
食べると効果的。
■ 胃弱に・・・
ヤマノイモを煮つぶしたものにすったクルミを加えて作ったおかゆを
毎日食べる。
■ 慢性下痢に・・・
ヤマノイモ60gを煮て、1日3回食べるとよい。
Vo.17
☆トマト☆
夏になると、おやつ代わりにトマトを冷やして食べますが、トマトには喉の渇きを癒す働きがあり、
時季にかなった食べ方といえます。また、暑くて食欲のないときにも消化を助け、
胃を丈夫にするのでおすすめの食べ物です。
最近では一年中栽培されてスーパーに並んでいますが、体を冷やす働きが
あるので、
冬季には煮て食べるなどして、生のサラダなどはとらないようにしたほうがよいでしょう。
トマトの作用の中で、最近脚光を浴びているのは、降血圧作用です。
中国では高血圧患者の補助療法として、トマトを食べるようにすすめており、ドイツでも同じ目的で
トマトジュースをすすめています。ただし、市販のトマトジュースには塩分がかなり含まれているので、
高血圧患者にはおすすめできません。
また、便秘症の人がたくさん食べると便通がよくなります。
ただし、体を冷やす作用があるため、冷え性、虚弱体質、お年寄りは
生でたくさん食べないように
してください。
☆トマトの利用法☆
■高血圧、眼底出血の予防と対策に・・・
新鮮なトマトを毎朝空腹時に1〜2個を2週間くらい続けて食べるとよい。
■消化不良や食欲不振に・・・
トマトジュースを半カップずつ、1日2〜3回飲む。
■熱があって喉が渇くときに・・・
トマトジュースとスイカのジュースを同じ分量で混ぜて飲むと効果的。
■歯茎の出血に・・・
トマトを毎日できるだけたくさん食べるとよい。
☆キュウリ☆
日本では、主に若いキュウリを生で食べますが、中国では若いキュウリは
もちろん、よく熟したものを生で食べたり、煮たり炒めたりして食べます。
キュウリには生で食べると熱を冷まし、余分な熱を取り去る働きがあります。
熱のある病気のとき、口が渇いて仕方のないとき、胸のあたりがもやもやするときに
大変効果があります。
また煮て食べると利尿作用が盛んになり、解毒作用もあります。
最近の中国では、つるに降圧作用があり副作用もないことから、そのエキスを使った降圧剤が
登場しています。
日本の民間療法では、葉を暑気あたりに用いるほか、茎をむくみを取り去るために使っています。
ただし、キュウリには体を冷やす作用が強いので、胃腸が冷えて弱い人は
生のキュウリをたくさん食べると下痢の原因となるので気をつけましょう。
また、脚気の人も同様です。
☆ヤマノイモの利用法☆
■浮腫の初期に・・・
熟したキュウリの皮30gを煎じて1日2〜3回飲む。
■子どもの熱のある下痢に・・・
キュウリをはちみつと一緒に食べるとよい。
■暑気あたりに・・・
葉をもんで足の裏にはるとよくなる。
■夏、足の裏がほてって眠れないときに・・・
キュウリの実の切り口で足の裏をこすると、よく眠れる。
■毒虫刺されに・・・
よく熟したキュウリの汁や生の葉をもんで塗る。
■高血圧に・・・
キュウリのつる100gに適量の水を加え、煎じて半分くらいの量にしたものを、
1日2〜3回に分けて飲むと効果的。
Vo.18
☆カキ☆
カキは生で食べると、肺を潤して痰を除き、咳を止める働きがあります。 肺結核で咳がやまず、喀血するときの補助療法としても利用されているほどです。 酔い覚ましの果物としても有名で、酒の席のデザートにもよく用いられます。 若いカキの葉をとって、陰干ししてから蒸して作るカキの葉茶は利尿作用が高く、新陳代謝を増進させ、高血圧によい飲み物です。解熱、止血作用が あり、中国では胃潰瘍の出血、痔の出血、鼻血、月経過多、眼底出血の補助療法としても活用されています。 カキは実や葉だけではなく、カキのへたや干し柿の白い粉(柿霜シソウ)にも 薬効が認められ、利用されています。 柿霜は、肺に熱があって咳や痰があり、喉が渇いて痛く、口や舌に炎症が ある症状にすぐれた効能を持っているとされています。 カキのへたは、げっぷやしゃっくり止めや吐き気止めに利用され、百日咳や夜尿症にも効くといわれています。 ただし、カキは冷やす作用が強いので、胃腸が冷えやすい人、産後、病後は多食してはいけません。また、タンニンが多いので、多食すると便秘することがあります。
☆カキの利用法☆
■高血圧、眼底出血の予防と対策に・・・
新鮮なトマトを毎朝空腹時に1〜2個を2週間くらい続けて食べるとよい。
■高血圧に・・・
カキを絞った汁に牛乳を加えてカップ半杯くらい飲むと効果的。
また、生の葉を煎じた汁か、カキの葉茶を飲むとよい。
■しゃっくりに・・・
カキのへた約10個分を200ccの水に入れて半分に煮詰めて飲むと よく効く。
■民間療法として・・・
カキを食べると酒の酔い覚ましに特効がある。
また、干し柿を酢につけたものを、ハチやブヨに刺された傷につけると 効果的。
☆ブドウ☆
ブドウを生で食べると肝機能、腎機能を高めるので、肝機能、腎機能が弱っている人、足腰が痛む人、筋肉が丈夫でない人、流産予防に食べるとよい果物です。
また気力を補い、血行をよくし、尿を出やすくする働きがあるので、気力に乏しい人、むくみのある人、尿の出の悪い人にも効果的です。
根やつるの部分には、体がだるくて痛い、筋肉や骨が痛むなどの症状を治す働きや鎮静、嘔吐を止める、痛み止め、利尿などの働きがあります。葉は、むくみ、結膜炎、利尿などによいとされています。外用すれば、はれものにもよく効きます。
日本の民間薬でもおなじみで、たむし、乳汁不足、健胃に、種子、つる、実が使われています。また、人類が作った最古の酒といわれるブドウ酒には、滋養強壮作用があります。
☆ブドウの利用法☆
■排尿障害があって、痛み、血尿を伴う膀胱炎に・・・
ブドウ汁、ハス汁、ショウガ汁、ハチミツを等分に混ぜ合わせ、煎じて
うすい水あめのようにしたものを毎食前に60ccほど服用するとよい。
■下痢止めに・・・
茶の葉9gと、白ブドウ汁カップ3、ショウガ汁1/2、
ハチミツカップ1と合わせて小1時間煎じて飲むと効く。
■喉の渇きに・・・
ブドウ汁を飲むとよい。
絞り汁にハチミツを加えてじっくり煮た汁を飲むとより効果的。
■血小板減少症や細胞粒減少症に・・・
ブドウ酒を毎日2、3回、10〜15ml飲むと効果がある。
Vo.19
☆コショウ☆
コショウのもっとも大きな薬理作用は、胃腸を温めて調子を整えることに
あります。とくに気が逆上しているのを静める働きがあるため、冷えによる消化不良で嘔吐が激しいときに効きます。また、気分が高ぶっているときに気を静める効果もあります。
駆風、解熱、筋肉のこりを除く作用もあるので、風邪の初期などによいでしょう。
また、血液の循環が乱れ体内に古血が滞る、?血を下す作用があるため、
産後の血の道症や、打撲による血滞にも使われます。肉や魚の毒を消す作用があることはもちろんです。 
☆コショウの利用法☆
■冷えて吐くときに・・・
ショウガ30gを少し蒸し焼きにして切ったものに、コショウ1gを加え、
2カップの水で半量になるまで煎じたものを3回に分けて飲むとよい。
■子どもの冷えからくる消化不良に・・・
コショウの粉末をへその上に置き、その上を温湿布する。
☆トウガラシ☆
トウガラシは、香辛料の中でも体を温める作用のもっとも強いものです。
とくに、消化器系を温めて、食欲を増進させる効果があります。
体が冷えて起こる消化不良や食欲不振によく効きます。
また、除湿作用があるので、梅雨時や夏の蒸し暑い頃、食欲が落ちたときに食べると食が進みます。
☆トウガラシの利用法☆
■冷えから起こった風邪、吐き下しに・・・
トウガラシを細かく刻んで米に加えておかゆを炊き、これを汗ばむくらい食べると効く。
■食欲がないときに・・・
豚の赤身肉を細切りにしたもの100gに対して、トウガラシを5gの割合でみじん切りにして加え、炒めて食べると効果がある。
■しもやけができてかゆいときに・・・
トウガラシを煎じ、その湯気をかゆいところに当てる。
■冷えたり、湿気があるときに痛む関節炎に・・・
ダイコン半分にトウガラシを5本詰めておろして(もみじおろしを作る)、
痛むところに湿布するとよい。
☆ニンニク☆
生のニンニクには独特のにおいがありますが、このにおいのもとアリシンには、チフス菌、結核菌、大腸菌、コレラ菌など、様々な菌に対して抗菌作用があり、この作用はタマネギとともに、植物の中ではもっともすぐれているとされています。また、寄生虫の駆除、食中毒の予防にも効果があります。
ニラと並んで強壮作用の強いニンニクですが、常食すると体内の免疫力を
高めます。そのため、最近では抗がん剤になるのでは、と注目されています。
また、ニンニクには、心臓の収縮力を増して末梢血管を拡張し、高血圧や、動脈硬化を予防する作用があります。その他、内臓を温め、胃腸を丈夫にし、水分代謝を活発にする作用もあり、下痢や便秘にも効果があります。
ただし、ニンニクは刺激が強いので、胃腸が弱い人は食欲不振になることがあります。また、目の悪い人は眼病を悪化させることがあるので多食しないほうがよいでしょう。胃や十二指腸に潰瘍のある人も同様です。
☆ニンニクの利用法☆ 
■風邪のひきかけに・・・
ニンニクとショウガそれぞれ15gを薄切りにして煎じ、少量のざらめを
加えて温かいうちに飲む。
■おなかの冷えやすい人に・・・
酢に漬けたニンニクを毎日数個食べると虚弱体質の改善にもなる。
Vo.20
☆ブリ☆
ブリは、中国ではほとんど食用とされていませんが、日本では、‘出世魚‘の一つで、地方によっては正月魚とされています、。日本の「本朝食鑑」には、「気血を滋潤し、人を肥健にする」とあり、このことから、貧血気味の人や、気力がどうもわかないというときによく、やせて体力のない人が食べると太って健康になるとされていることが分かります。
ただし、ブリは脂肪分の多い魚なので、胃腸のあまり丈夫でない人は、生のままでたくさん食べないほうがよいでしょう。皮膚疾患、熱、痰、嘔吐などの恐れがあるので、特に喘息や咳のある人は、焼いて性質を穏やかにして少量食べるようにしましょう。「本朝食鑑」にも、生でたくさん食べると吐いたりするなど諸種の障りがあるので、素焼きの器で焼くか、ひと塩にして脂を除く、とあります。 
☆ブリの利用法☆
■やせて体力にない人に・・・
さっぱりとした調理法を好む傾向があるが、できるだけ油を使った調理を
すると、体力がつく。
ブリを酒塩につけて臭みを取り、卵白と片栗粉をまぶして油を通したものを、刻みネギとショウガ、油通ししたシイタケを炒めて調味したあんとあわせるとしつこさが消えたべやすい。
☆サケ☆
サケは全体を食用にして捨てるところがなく、北国ではサケの歯を残すようでは通ではないといわれるくらいです。
サケには、胃腸を温め、健康にする働きがあります。
日本の江戸時代の食物について書かれた本には、「中を温め気を壮(さかん)にす」とあり、おなかを温めて気のめぐりをよくし、元気にさせるこうかがあるとしています。胃腸が弱く冷えやすい人や、体力が衰えているときなどに、よいたんぱく源となります。
ただし、多食すると湿疹ができる可能性がありますので、アレルギー体質や湿疹のできやすい人は食べ過ぎないよう注意しましょう。
マスにもサケと同様の働きがあり、胃腸を温め、食が細く痩せている人を太らせます。サケとマスの区別はむずかしく、アラスカでとれるキングサーモンは大きなサケですが、ベニザケは学術的にはマスの仲間です。
☆サケの利用法☆
■胃腸の冷えやすい人に・・・
サケの切り身を焼くかフライにして、日常のおかずにとりいれるとよい。
■体を温め、貧血を予防するには・・・
<サケの味噌鍋>
サケをぶつ切りにして、酒・しょうゆ・みりん各少々をふりかけておく。
生シイタケはそぎ切り、ジャガイモは1cmの厚さに、ゆでたホウレンソウは5cmの長さに。
鍋に赤味噌、だし汁、コンブを入れ、砂糖、酒、しょうゆ、みりんで味をつけ、サケと野菜を煮ながら食べる。薬味におろしショウガと粉ザンショウを添えるとよい。
Vo.21
☆もち米☆
もち米から作るもちは、日本では昔から神仏のお供え物にするなど、年中行事に欠かせないものでした。正月にはお雑煮を食べたり、鏡もちを飾るなど、現在でも日本の風習に深く結びついた食べ物といえます。
もち米は温める作用が強く、疲れやすい人を丈夫にする、高エネルギーの食物です。冷えからくる下痢によく効きます。
よく寝汗をかく人、乳の出の悪い人、夜中に何度も小便に起きる人、夜尿症の子供にもよい食べ物です。
逆に、便を硬くしてしまうことや利尿抑制作用があるので、便秘気味の人やむくみのある人、小便の出にくい人は、注意が必要です。膀胱炎、リウマチ、咳、喘息のある人も控えるようにしましょう。
また、炎症性の疾患や皮膚病があるときは食べてはいけません。
柿、メロン、ミカンなど体を冷やす作用のある食べ物とは一緒に食べないほうがよいです。 
☆もち米の利用法☆
■疲れやすい人に・・・
豚肉や牛肉入りのけんちん汁にもち米を入れて食べると効果的。
■胃が冷えて痛むときに…
もち米とナツメでおかゆをつくるとよい。
■ひどい口の渇きに…
もち米と水とハチミツを3:5:1の割合で混ぜ、煮て食べると効く。
■寝汗に…
同量のもち米と小麦を炒って粉にし、玄米スープに10gほど入れて飲むとよい。
☆玄米☆
私たちが多く食べているのは白米で、口当たりはよいのですが、ビタミン類、ミネラル類、食物繊維は玄米には及びません。
現在では栄養バランスのよさから世界的な注目を浴びています。
生活習慣病の予防にも有効だとされています。
玄米は昔から内臓を強くすることで知られています。
血液を浄化し、血行がよくなるので、日頃から元気がなく、顔色の悪い人の体質を改善させるのに役立ちます。虚弱体質の人はぜひ常食してください。
また、冷え性の人、風邪をよく引く人にも効果的です。
ただし、玄米は消化が悪いのでよくかんで食べるようにしましょう。また、寝る前に食べるのは避けたほうがよいでしょう。
胃の弱い人、胃下垂、また舌に苔のできやすい、胃熱タイプの人には向かないので、このような人には麦飯をおすすめします。
☆玄米の利用法☆
■疲れやすく顔色の悪い人に・・・
玄米を常食すると効果的。ただし、胃弱、胃下垂の人も多いので、必ずよくかんで食べてください。
■病後で体力のない人に…
玄米を少しこげる程度に炒って塩を少々加え、適量の水で煮て玄米スープにすると回復を早める。
■風邪に引き始めに…
玄米スープにショウガと長ネギの白い部分を刻んで入れ飲むとよい。
■糖尿病でのどが渇く人に…
玄米スープをお茶代わりにするとよい。
Vo.22
☆ハマグリ☆
ハマグリはちょうつがいをはずすと、もとの貝以外とは合いません。そのため、夫婦和合のシンボルになったり、「貝合わせ」と名づけて優雅な遊びの道具となったりしました。
日本、朝鮮半島、中国沿岸、台湾、フィリピンなどに広く分布していますが、中国では三千年もの昔から食用にされていた歴史の古い貝です。
煮て食べると、発熱を取り除き、肝臓機能を活発にし、目を美しくする働きがあります。そのため、体の中に熱が停滞して起こる、黄疸、腹部膨満、
目の充血などに効果があります。のどの渇きを癒す作用にも優れているため、糖尿病でのどが渇くときや二日酔いにも用います。その他、痰を取り除いたり、女性の不正出血、子宮内のできもの、痔にも効果的です。
漢方では、殻を解熱剤として用います。
ただし、食べ過ぎると、逆に痰がでたり、吐き気をもよおしたり、湿疹が出やすくなったりすることがあるので、注意が必要です。

☆ハマグリの利用法☆
■黄疸でむくみのあるとき、糖尿病で喉が渇くときに…
よく煮たハマグリの身を常食すると効く。
■二日酔いに…
潮汁にウド、木の芽を入れ、ショウガ汁1〜2滴を加えて飲むとよい。
☆シジミ☆
シジミは肝炎で黄疸を起こしているときに効くので、昔から利用されてきました。シジミ汁は、シジミ貝1升を水1升で1時間ほど煮込み、貝を取り出して、残りの汁が3合くらいになるまで煮詰めて、しょうゆ少々で味をつけたものを1日3回飲むようにしてください。
解熱作用、利尿作用、のどの渇きを止める、酒の毒を分解する、目を健康にするなどの働きもあります。
また、シジミに含まれるたんぱく質は含量は低いのですが、必須アミノ酸がバランスよく豊富なうえに脂肪が少なく、非常に良質です。
ただし、多食すると体を冷やすので冷え性の人は気をつけましょう。また、足が早いので新鮮なものを食べるようにしましょう。
☆シジミの利用法☆
■黄疸、寝汗をよくかくときに…
シジミ貝1升を水1升で1時間ほど煮込み、貝を取り出して、残りの汁が3合くらいになるまで煮詰めて、しょうゆ少々で味をつけたものを1日3回飲むとよい。
■二日酔いに…
シジミの味噌汁にネギ、粉サンショウをふりかけて食べると解毒作用があり、効果的。また、肝臓の働きをよくする。
Vo.23
☆エンドウマメ☆
エンドウマメの「主たる効用は、脾胃を中心とする病である」とされます。
内臓の中でも真ん中にある胃や、膵臓の調子を整えるということです。糖尿病で口渇のある場合に、常食するとよいもののひとつで、中国では糖尿病の食事療法に用いられています。
また、利尿作用があり、特に尿が出にくく、おなかが張っている場合に効きます。その他、体が冷えて熱が出、吐いたり下痢をしたりするときや、他の豆と同様に腫れ物ができたときの外用薬としても使われます。
最近では、食物繊維が多いことから、便秘の人が常食すると便通が整うことが分かっています。民間療法では、昔からお乳が張っているのに出にくいときや、高血圧、心臓病にも用いられています。
☆エンドウマメの利用法☆
■糖尿病で口渇のある人、胃腸が弱くて吐いたり下痢をしやすい人に…
エンドウマメを薄味でよく煮たものを毎日1カップ食べるとよい。
■疲れやすい人に…
エンドウマメと羊の肉を一緒に煮て食べると体力がついてくる。
■尿の出にくい人に…
エンドウマメをたっぷり入れたスープを食べるとよい。
■糖尿病に…
エンドウマメか豆苗を煮て毎日食べるか、エンドウマメの絞り汁を毎日飲むとよい。
■高血圧、心臓病に…
エンドウマメの絞り汁を、茶碗半分ずつ、1日2回温めて飲むと効果的。
☆ラッカセイ☆
落花生と書くのはマメ科の植物なのに地下で実を結ぶためです。
ラッカセイは味がよいばかりではなく、タンパク質、脂質、ビタミンB・Eなどを多く含む栄養価の高い食べ物です。
ラッカセイは主に胃の働きを整え、肺を潤して咳を止める効用があります。また乳の出が悪いときにも有効な食べ物です。
香りは消化吸収を活発にし、よく炒ったり煮たりしたものは、胃を丈夫にし食欲不振に効果的です。煮たり煎じたりしたものは痰の出を止め、咳を治します。
最近の中国では薄皮に出血を抑える成分が含まれていることが分かり、血友病、血小板減少症、手術後の出血などにこの薄皮からの抽出液を用いる治療も行われているようです。
ただし、塩漬けにして炒ったものやバターピーナッツの多食は塩分の摂りすぎになるので注意しましょう。またラッカセイのカビは肝ガンのもとといわれていますのでカビの生えたものは絶対に食べないようにしましょう。
☆ラッカセイの利用法☆
■血小板減少性疾患や貧血に…
薄皮付きの生のラッカセイ200g(炒ったものは230g)を毎日3回に分けて食べると有効。
■高血圧症に…
ラッカセイを1週間酢に漬けたものを朝夕10粒ずつ毎日食べるとよい。
■滋養強壮、乳の出が悪いときに…
生のラッカセイを煮て食べると効果的。
Vo.24
☆イワシ☆
イワシを食べると体力がつき、筋肉や骨を強くし、内臓を丈夫にするので、お年寄りや虚弱体質の人にはおすすめの食べ物です。
イワシには脂肪分がたくさん含まれていますが、この脂肪は不飽和脂肪酸が多く、動脈硬化を防ぎ、コレステロールを低下させるので、最近は長寿食としても注目されています。
もう一つ注目されているのはEPA(エイコサペンタエン酸)で、これは血液の凝固を防ぎ、脳血栓などを予防する働きがあります。イワシをたくさん食べる地方には脳卒中の患者が少ないという報告もあります。
昔は飼料や肥料に多量に利用されていたこともあって、下等魚のイメージが強かったのですが、最近は次々と生活習慣病予防になる成分が含まれていることがわかり、再評価されています。
イワシは漢字で書くと“鰯”。他の魚に比べると腐るのが早い、弱い魚だという説があります。変質しやすいので鮮度に注意しましょう。不飽和脂肪酸が酸化してしまうと効果がなくなるばかりか有害です。
また多食すると胸がいっぱいになって嘔吐したり、じんましんがでたりすることがあるので気をつけてください。
☆イワシの利用法☆
■お年寄りや虚弱体質の人に…
イワシのつみれをすまし汁にしたものを食べると丈夫になる。
■滋養強壮に…
イワシのすり身でハンバーグを作るとよい。
■筋肉や骨を強くするために…
イワシのから揚げや丸干しが効果的。
☆カツオ☆
カツオには、気血を補う、健胃、充精などの作用があります。つまり、気力がない、貧血気味、胃腸が弱っている、精力が減退しているなどの状態のときに食べると効果があります。
特に病気が長引いて体力が落ちている人、産後なかなか体力が回復しない人の他、体力や気力の衰えの目立つときによい滋養食品です。
ただし、湿疹のできやすい人は、生の多食を控えたほうがよいでしょう。
カツオ節はカツオの長所をいっそう伸ばし、欠点を補うものなので、どんな病気の場合でも用いることができます。気血を補う、脾胃を整える、筋力をつける、歯を堅くする、肌を滑らかにする、髪を美しくする、疲れを取るなどの効果があります。
☆カツオの利用法☆
■太りたい人に…
カツオのたたきに、ショウガ、ネギ、ニンニク、穂ジソを薬味として添え、三杯酢に浸して常食するとよい。
■滋養強壮に…
カツオの切り身の味噌漬けは気力を増す。
■下痢に…
新鮮なカツオを、ショウガ、ニンニク、ワサビとともに食べると効果的。
*生で食べるときは、薬味で魚毒を消して食べるとよい。
Vo.25
☆イカ☆
昔からスルメは縁起のよい食べ物とされ、祝い事にはかかせません。
食用にされるのはおもにイカの身です。薬用には身も墨袋も使いますが、甲が主です。
イカの身には血を補う働きがあって、とくに女性の無月経や閉経の治療に
補助食品として活用されています。
イカの墨を薬用にするときは火であぶって乾かし、粉末にします。古い書物には今で言う狭心症に応用したとあります。
イカの甲は、出血性症状、痔、胃・十二指腸潰瘍の妙薬とされています。
ただし、アレルギー体質の人は、多食するとじんましんを起こすことがあります。また、まれに少量のイカを食べただけで胃痛を起こす人がいるので、この場合は控えるようにしてください。
☆イカの利用法☆
■狭心症に…
イカ墨料理を常食するか、酢で味付けしたイカ墨を服用すると効果的。
■胃・十二指腸潰瘍に…
イカの甲の粉末に甘みをつけて1日3回服用するとよい。
■体力が低下しているとき、冷え性、生理不順、婦人病、更年期障害に…
*紅花(コウカ・漢方薬)入りイカ飯*(4人分)
@玄米カップ1/2を洗って熱湯に一晩浸しておく。
Aイカ(小4杯)は足を内臓ごと抜き、胴の軟骨を除き内側をきれいに洗って水気を切っておく。
Bクルミ3個を熱湯に浸してから竹串で薄皮をはがし細かく砕いておく。
黒キクラゲ2〜3枚は戻してみじん切り。紅花大さじ1はさっと洗って目の細かいこし器にあけて水切りをする。
C水気を切った玄米、クルミ、キクラゲ、紅花をボウルに合わせてよく混ぜ、Aのイカの胴に7〜8分目くらい詰め口を楊枝で止める。
D平鍋にだし汁カップ2と醤油大さじ2を合わせ、Cのイカを並べ入れ、火が通るまで中弱火で煮、三温糖小さじ2、酒小さじ1を加え、仕上げる。
☆タコ☆
タコもイカと同様、血を補い、気を増す作用があります。その結果、筋肉を丈夫にし、骨を強くし、痔を治したり、産後の?血(血の滞りによって起こる頭痛やめまい、月経不順などの不快な症状)に効果的です。
タコは脂質、糖質が少なく低カロリーなため、肥満防止や生活習慣病予防にもよい食べ物です。
また最近では、タウリン(アミノ酸の一種)がたくさん含まれていることが分かってきました。タウリンには疲労回復を早めたり、血圧を正常値に保つ、血中コレステロールを下げるなどの働きがあります。
ただし、タコの増血作用はじんましんを起こすことがあります。アレルギー体質の人は多食しないようにしてください。ショウガや酢で調理するとその予防になります。
また、ゆでたり煮たりすると堅くなり、消化によくないので胃弱の人は控えめにしましょう。
☆タコの利用法☆
■気血を補い、丈夫な体になるために…
酢ダコを常食するとよい。
■生活習慣病予防、肥満予防に…
タコとダイコンの煮物を食べるとコレステロールを下げ、効果的。
Vo.26
☆こんにゃく☆
コンニャクイモは、インド、セイロン原産のサトイモ科の植物です。このコンニャクイモを加工したものがこんにゃくです。
昔から、砂払いと呼んで、腸をきれいにする作用が知られていたこんにゃくは、その97%は水分で、残りがグルコマンナンといわれる食物繊維です。この繊維が腸を刺激して便通を促すのです。また、このグルコマンナンは、コレステロールを吸収する作用がある点で、最近注目されています。
また、97%が水分であることから、ノンカロリー食品です。肥満やコレステロールが高くて悩んでいる人には、おすすめの食材です。
なお、中国では、利尿作用があるとされ、膀胱炎や膀胱結石などに用いられています。
☆こんにゃくの利用法☆
■肥満防止、糖尿病、便秘、去痰に…
こんにゃくを常食するとよい。
■膀胱結石に…
こんにゃくをたくさん食べ、小豆30gを煎じて飲む。
■ 胆石や尿管結石などで激しい腹痛があるとき、生理痛がひどいときに…
こんにゃくの温湿布をすると効果的。
☆みそ☆
みそは大豆を麹菌で発酵させて作った食品で、しょうゆと並んで日本の家庭に欠かせない調味料です。白みそ、赤みそ、八丁みそなど種類があり、白みそはやや甘く野菜料理に適し、赤みそは魚介類に料理に向きます。
みそは畑の肉といわれる大豆が原料なので、良質のタンパク質、脂質、ビタミンB2、鉄、リン酸、カルシウムを含んでいます。
ご飯にみそ汁はつきものですが、栄養上から見ても、米に不足しがちなタンパク質、ビタミンなどを補えるので、優れた組み合わせといえます。
また、みそには毒消しの作用があり、魚や肉、野菜を料理するときに使うと、その毒を消してくれます。酒の毒を消す作用もあり二日酔いの予防にもなります。昔から病後の回復や産後のめまいなどにも用いられてきました。
ただし、しょうゆと同様、塩分が多いのでとりすぎは禁物です。特に、むくみのある人、血圧の高い人は、みそやみそ汁のとりすぎに注意しましょう。
☆みその利用法☆
■二日酔いの防止に…
酒を飲んだ後にみそ汁を飲むとよい。
■産後のめまいやおりものに…
みそ汁を常食すると効果的。
■腹痛や頭痛に…
甘みそにカツオのだし汁と少量の酒を加え、熱服して発汗するとよく効く。
■できものや関節がはれて痛むときに…
患部にみそを塗り、その上にお灸をするとよい